【書評/読書感想】くじけないで 柴田トヨ

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人生、いつだってこれから。だれにも朝はかならずやってくる

今日紹介する本は「くじけないで」

目次

ジャンル

詩集 になります。

著者である柴田トヨさんが詩を書き始めてから7年間に書いた詩を集めた詩集となっています。産経新聞「朝の詩」に掲載された35点と下野新聞に掲載された3作品、未発表4作品の計42作品が収録されています。
1つ1つの詩は短いですが、柴田トヨさん(※出版時、なんと98歳)の人生が1つ1つの言葉、詩に詰まっており、「また明日頑張ろう」と力をもらえる詩集です
また、詩をあまり読んだことが無い方も「詩はこんなにも楽しく、味わい深いものなのか」と感動できる詩集となっています。

著者

引用元:日刊SPA! 「101歳の詩人」柴田トヨさんが遺した2つの詩(https://nikkan-spa.jp/395105)

柴田 トヨ

経歴/職業

1911(明治44)年6月26日 栃木市に生まれる
裕福な米殻商の一人娘でだったが、十代の頃に家が傾き、料理屋などへ奉公に出る
1944年 33歳の時、調理師の柴田曳吉と結婚。翌年に、息子健一を授かる
1992年 夫曳吉と死別。以来、宇都宮市内で一人暮らし
2003年 92歳で一人息子健一の勧めで詩作を始める
2009年 書きためた詩を自費出版
2012年 詩集「くじけないで」が160万部を記録
2013年1月 老衰により宇都宮市内で死去 101歳没
2013年11月 半生を描いた映画「くじけないで」が公開される

趣味
若い頃:読書、歌謡・歌謡曲観賞
熟年時代:日本舞踊
執筆時:詩作

経歴から分かるように柴田トヨさんがなんと92歳から詩作を始められました。腰を痛めて、趣味の日本舞踊が踊れなくなり、気落ちしていたトヨさんを息子の健一さんが慰めようとして詩作を勧められて始めたそうです。それまで日本舞踊が踊れていることにもまず驚きですが、そこから詩作を始めて、死後にその半生が映画化までされるほど、人の心を動かすようになられたのはもっと驚きですね。

あらすじ

応募ハガキの中から、トヨさんの詩がひょっこり顔を出すと、いい風に吹かれたみたいに、さわやかな気分になるのです 「本書前書き:トヨさんのように生きて行こう」より

本書の前書きに柴田トヨさんが投稿していた産経新聞「朝の詩」の選者の詩人、新川和江さん(※著者ではない)がこう書くように、柴田さんの詩は「暖かい春風のような詩」だなと私も感じました。

日常の中にある小さな出来事、何気ないひと時、ふとした時に人生を振り返ってあの時の自分はこうだったなという懐古、そんなどんな人でもある出来事を優しい語り口で、クスッとしてしまう切り口で、時には子供を諭すような母の言葉で詠った詩が多いです。

前述の著者の紹介にもあるように、柴田トヨさんは90歳を過ぎてから詩を始められました。「くじけないで」という詩集タイトル通り、柴田さんがこれまで歩まれた人生、今歩んでいる人生を純粋で、瑞々しい感性で謳った一言一言にクスッと笑顔になりつつも、また明日頑張ろうと思える詩がたくさん詰まっています。

詩1つ1つは短く、平易な言葉で書かれているので、年齢や性別問わず、味わえる詩ばかりですので、若い人なら孫目線、40〜60代なら子供目線、高齢の方なら近所付き合いの友達目線で味わえると思います。
特に高齢者と接する職をされている方、介護が必要な高齢の親や祖父母がいる方にぜひオススメです。

また、後書きには柴田トヨさんが歩まれた人生を柴田さん自身が振り返りながら、思い出深い詩を紹介するコーナーがあります。詩を読み終わった後に、詩をさらに深く味わえるような仕組みになっていて、普段詩集を読まない人も楽しめる一冊となっています。

感想

私はこのタイトルを見たときに力強い詩を謳う詩集かな、と思いました。
しかし、本を開いて見たら、穏やかな語調で、読んでいるうちに自然と笑顔になる詩が多くて、小さな幸せを大事にし、感謝し生きる柴田さんの優しくも力強い母の精神が溶け込んでいるなと感じました。

私が読んで特に面白いと感じたのは「風や陽射しが」「溶けてゆく」「二時間あれば」でした。
どの詩もめちゃめちゃ好きで、どれが特に面白かったかを選ぶのも難しくなるくらいでした。
正直、柴田トヨさんの詩、読んでてすぐファンになりました(笑)

私自身もよく詩を書いているので、こんな詩を書きたいなと思いましたし、柴田さんのような純粋な感性をいつになっても忘れたくないなと思いました。90歳を超えて、何かに挑戦するというのがまず驚きですし、その作品が入選されて認められるようになり、映画まで作られるようになると言うのが更に驚きでした。

詩作で分かったことは、人生、辛くても悲しい事ばかりではないと言うことでした」と後書きに書いてあるのですが、そんな著者柴田トヨさんの「人生、いつだってこれから。だれにも朝はかならずやってくる」と言う力強い精神が込められた一冊でした。

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