詩とは「言葉」を用いて作られた
芸術作品である
今日紹介する本は
『詩のトリセツ』
ジャンル
文芸評論 になります。
本書は詩を読むための入門書です。様々な詩を引用しながら、何気なく読んでしまう詩にはこのような創意工夫が凝らされていたのかと気づかせてくれる1冊です。
著者
小林 真大
経歴/職業
インターナショナルスクール 国際バカロレア 文学教師
山形県生まれ
早稲田大学国際教養学部卒。
代表著書:「文学のトリセツ」「感想文から文学批評へ」
ホームページ:https://www.ibjapanese.com/
あらすじ
本書の特徴
まず、本書は詩を書くための本ではありません。
本書は詩をより深く専門的に味わうための1冊です。
詩は伝達の道具ではなく、芸術作品であると本書は解きます。
詩とは何か? から始まり、詩の要素を大きく「リズム」「イメージ」「構造」という3つのパートに分けて説明し、最後にはそれまでに学んだ知識を用いて、1つの詩を具体的に批評し、味わう構成となっています。
本書の一番の特徴は参考文献の多さです。普通ここまでは踏み込まないだろうというところまで、文学、言語学の研究結果、様々な参考文献を引用して、詩とは何かを専門的に紹介してくれます。
教科書のような無味な説明というよりは、例となる詩を挙げて、具体的に解説してくれるので、文学・言語学の知識を含めて詩の知識が全くなくても実感を持って読むことができます。
ぜひ読んでほしい人
- 詩について本格的に知りたい人
- 詩を『読む』ことに興味がある人
- 詩を普段書いている人
詩をしっかりと読んでみたいと思っている人にオススメの1冊です。
本書の特徴にもある通り、ただ詩を読んでいるだけは気づけないことをより専門的な知識から教えてくれるので、詩の見方がより深くなること間違いなしです。
詩人も無意識的にしている工夫を掘り起こして説明してくれるので、普段から詩を書いている人にもオススメです。
感想
私は普段から詩を書いていて、最近、詩を読むこともより深めたいと思って、本書を手に取りました。
読んでで、この1冊があれば、詩の基本的な知識は全て分かるような網羅的な1冊でした。
著者の詩に対する感想を見るというよりは、専門的な知見から詩を見る内容でした。
文学部出身ではない私からすると詩を専門的に学ぶための入門書としてとても面白かったです。
ですので、詩を半年以上書いている、詩に興味があって普段から読んでいる、詩に興味があって専門的に学んでみたいと思う人にはとても有意義な詩の入門書となっています。
しかし、はっきりと言って、この本を読んだ所感、全くの詩の初心者向けではありません。
内容が専門的になってくる分、全くの初心者だと読み進めるのに少し根気がいると思います。
この本は経験者でも読んだらすぐ分かるという1冊ではなく、詩を何度も読み、書く中で、読み返すうちにより味わい深く感じるだろう1冊でした
ゼロベースの詩の初心者はコチラがオススメ!
下記の本は『詩のトリセツ』でも引用されている本です。
学校の国語授業で植え付けられてしまう詩に対する誤解を解いて、詩の楽しさを教えてくれる1冊です。
専門的な知識というより、詩人が普段詩をどう味わっているのかを知ることができます。
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